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INTERVIEW

疋田 正人

エンジニアから、ITのビジネスパーソンへ。
地場の強さや魅力をもった福岡のクリエイターやエンジニアの皆さんとつながりたい。

「エンジニアのキャリアパスを再構築し、IT業界の変革を計ろう」
開発を請け負うだけの、作業者としてのエンジニアを量産するのではなく、高度なITナレッジを駆使して事業を開拓・推進する、新しいタイプのエンジニアを現代日本に輩出することを基本理念におくヘッドウォータース。
ロボットやAIのプログラム開発で注目される同社も、ザ・カンパニーの仲間に加わりました。

株式会社ヘッドウォータース
取締役 兼 経営戦略室長 疋田正人 氏

1978年、埼玉県生まれ。サンフランシスコ州立大学の教育プログラム修了後、 大手システムインテグレーターに証券金融系技術者として入社。
2006年に株式会社ヘッドウォータースに入社し、半年後に取締役に就任。
2008年 中国の大手SI会社との合弁企業である東忠ヘッドウォータースの代表取締役に就任し、中国事業を一手に担う。
2010年 第一戦略事業本部長兼任。国家レベルの大規模プロジェクトマネージメントから、国内外の事業戦略・広報戦略などの立案、企業間アライアンス、組織体制の構築やコンサルティングまで幅広い役務を担っている。中国以外にもマレーシアやシンガポール等、東南アジアを中心に各国で事業展開を行う。

まず、ヘッドウォータースの事業について教えていただけますか?
Pepperアプリの企画・開発が例に出ることは多いですが、ヘッドウォータースは創業時からシステムインテグレーションを主軸としている会社で(企業の情報システムの企画、設計、開発、構築、導入、保守、運用などを一貫して請け負うサービス)、最近はロボットやAI、IoTの開発がマーケットも伸びているので注力しています。その中で、わかりやすい実例がPepper開発、他にSotaという小型ロボットがありまして、マイクロソフトAzureというAIと連携させて居酒屋でのお客様とのコミュニケーションの実証実験を行っていて注目していただいてます。
ロボットやAIの実証実験は、福岡ではまだまだ体感する機会は少ないのですが、開発などはどのレベルまで進んでいるのですか?
僕たちはインターフェイス、ロボットやiPad、スマホのようなあらゆるデバイスがすべてAIにつながっていくと考えています。AIを使っていかに世の中を幸せにしていくか、が僕らの領域。これからはECでもAIが自動的に商品を薦めてくれるようになるし、僕たちは「SynApps」というAIをつなげたアプリケーションパッケージを作っていて、例えばPepperは導入する企業さんはまず受付で使いたいといわれるんですが、受付って結構大変なんです。お客様を認識するにあたって、例えば髪型が変わっても同一人物と認識できるかとか、目や鼻の位置、眼鏡、髭などあらゆる分析をAIで行うんですが、それらをPepperを通して認識するんです。そうしてPepperが「いらっしゃいませ。●●様、1ヶ月ぶりですね」なんて話したり、社員も記憶して挨拶をしたり、顔色をみて声をかけたりとか。

ソータを使った居酒屋のロボットでは、優秀なアルバイトスタッフのようにお客様にいかに楽しんでもらえるかとか、気持ちよく“最後の一杯”を薦められるか、といったことを実験しています。お客様の顔を認識したロボットがいるだけではもったいないので、スマホと連携して、店側がロボットに話させたいことを話させたり。例えば、合コンで聞きにくい質問をしたりなんてことも可能にしたりコミュニケーションに役立てることもできます。

AIやIoT、ロボットにはまだまだ無限の可能性があると考えています。僕らにとってはすべてITであり、それをいかに組み合わせてクライアントを幸せにできるか、世界中を変えられるかということにチャレンジをしている集団がヘッドウォータースという会社です。
インターフェイスよりも、プログラムの開発や進化が待たれているのでしょうか。
両方ですね。僕たちも新しいロボットはいち早く購入して何ができるかを試すし、こんなニーズがあるかもと実証実験もします。スピーディにつくってリリースして、新しいアイデアを得ることも重要です。新しいデバイスはいち早く入手し開発して、お客様に使っていただき、反応をみたり、新たな情報でカスタマイズするというのが進め方ですね。

僕たちヘッドウォータースは、IT業界を変えよう!と2005年にはじめた会社なんです。当時IT業界には「40歳定年説」という言葉があって、40歳までにマネージメント層にいかなきゃ将来がないとか、単価と給料のバランスが40歳を過ぎると変わらないか下がると叫ばれたりして、「デジタル土方」なんて言葉も生まれてとにかく業界に夢がなかったんです。ITで世界を変えたい、幸せにしたいと思っているなかで、ITってそんなに辛く厳しい環境でもないし、本来もっと楽しいのがイノベーションだしクリエイティブだし、世界ともつながれるし。だとしたら日本のIT業界ごと変えようよ!と考えて立ち上がったんです。僕たちは、もっとITエンジニアを誇りある仕事にしたいと思って、営業という職種を設けずにエンジニアがクライアントと直接打ち合わせるようにしたんです。営業とエンジニアは分かれてることが多いんですが、そうなると営業は会社に持ち帰って打合せなきゃいけないことがどうしてもできてしますし、営業とエンジニアがそれぞれの立場で仲違いしちゃいます。クライアントに直接感謝される機会がエンジニアはどうしてもないので、だったらエンジニアもクライアントの元へ行けばいいじゃないかと考えたんです。それはそれでまた違う問題も起きるというか、喜ばれるだけじゃなくて叱られることもある訳ですが、総合的にはエンジニアがクライアントのニーズをよく理解できて、いい企画提案もできるようになったんです。

社内では「エンジニアからビジネスパーソンへ」という表現を使っていて、僕たちはビジネスパーソンとしてITでいかにお客様を幸せにするかという考えにたつようにしています。そのためには企画提案力が必要で、企画提案が苦手であればエンジニアとしてよりプロフェッショナルに徹するという選択肢をつくっています。これも、僕たちのチャレンジです。エンジニアの中にも企画提案が好きな人もいるし、やっぱり技術が好き、データ解析が好きという人もいます。エンジニアも様々な場面を体験することで、ビジネス全体を見てクライアントが何を望んでいるのか触れることが大切なんだと思うんです。

(エンジニアの皆さんに、技術以外のチャレンジを促すのは大変ではありませんでしたか?)

大変でしたね(笑)でもこの10年で世の中が大きく変わりましたよね。10年前はスマホはこんなに一般的でもなかったし、今はロボットがいることも特別ではない。社会全体のITリテラシーがあがったので、ITはエンジニアに任せっぱなしではなくなったし、クライアント側からもアイデアが出てきます。求められるレベルもあがるので、エンジニアはより早く高い技術の習得が必要だし、クライアントの望みをいかにスピーディに実現するかが大事になっているんです。

エンジニアは、基本的にサービスを生み出したいという想いが強い。でも必ずしもすごいサービスが流行るわけではなくて、クライアントやユーザーとコミュニケーションをとることによって求められたものが生まれるんです。
福岡は、人材としてはゲーム系のエンジニアが先行したイメージがあります。ヘッドウォータースさんのようなITのビジネスパーソンは少ないんじゃないかと思いますが、いかがですか?
そうでもなくて、ゲームの開発者さんにもTwitterやSNSを通じてユーザーの声は届いているでしょうし、距離はそう遠くないと思っています。昔の金融系のようなシステム開発と違って、今は比較的早く楽に開発できる環境が整っています。その分、アイデアやクリエイティビティが重視されるようになると思います。なので、ザ・カンパニーにクリエイターやエンジニアが混ざって集まるのが面白いと思うのです。
福岡のクリエイターやエンジニアさんにどんな期待をされていますか?
福岡は今もまだ人口が増えていますよね。そういう地場の強さというか、活気がある街であることに意味があると思っています。堀江さんも、孫さんも福岡ですよね。クリエイターやエンジニアにとっていいイメージがある。それに、若い人が多いですよね。東京と比べて、街のなかにいる人が若い人多いと思います。

(確かに、福岡は若い世代の人口や流入流出が多いと言われています)

ロケーションフリーはやっぱりIT業界が率先するものだと思いますが、好きな場所で仕事をするという働き方を考えた場合にも福岡は魅力的ですよね。新しいものを生み出す時に、没頭するのはもちろんなんですが、フェイスtoフェイスでアイデアを膨らませる環境も必要だと思うんです。これも、ザ・カンパニーと連携したいと思った理由です。

Skypeがいくら発展しても、コミュニケーションはそれだけでは足りないと思います。人に会って、感じることがクリエイティブには大事。在宅が進んでも、みんなが自宅だけで働く訳じゃないだろうし、ひとりでは大きな仕事もできない。ザ・カンパニーがハブになるのは非常にいいんじゃないかと思います。

今、東京はリソースが足りない、エンジニアが圧倒的に足りないんですね。インドや中国、ベトナム、カンボジアでオフショア開発もしてきましたが、国内でのニアショアの必要性をスピードの面で非常に感じています。なので、福岡のIT人材に接点をもちたいんです。

ヘッドウォータースは、エンジニアが営業をするようになったことでエンドクライアントと直接仕事をすることが非常に増えました。ヒアリングや企画提案から自社で行うことが増えているんですが、開発リソースがまだまだ足りない。一気通貫のサービスであることが重要だと考えているので、ザ・カンパニーで開発者やエンジニアとつながれることに期待しています。

(福岡のエンジニアにとっても、キャリアの幅ができるし新しい働き方になりますね)

あとは、もっと若い次の世代との関わりですよね。スマホネイティブと呼ばれる世代は、感覚から違う。考えながらパイロット版を作ってたりして早いんです。スピードが全然違う。僕らは、大企業と若いエンジニアやクリエイターとの繋ぎ役にもなれると考えています。
グローバルという言葉に続いて、AIやIoTという言葉をほんとによく耳にするようになりました。今年はもっと身近に感じることも増えそうですが・・
これからますます世の中のスピードは変わると思います。先日Amazon GOがリリースされましたが、新しい概念をもったサービスがこれからもっと出てきます。AIも今はまだ漠然としている人も多いですが、2~3年もすれば社内に当たり前に存在していると思います。
そうなると、エンジニアの仕事もどんどん変わるかもしれませんね。
そうですね。極端な話、プログラミングもどんどん変わって、簡素化されてエンジニアじゃなくてもプログラムできるようになるかもしれません。昔はHP作成もそれなりに大変でしたが、今はそうじゃないですよね。だけど、クオリティやユーザーインターフェイスに関わる部分にはプロフェッショナルの能力は必要で、より細分化されていくのだと思います。

AIで人間の仕事がなくなるなんてことも言われますが、僕は、世の中の職種自体が変わって、しかも増えていくんじゃないかと思うんです。10年前に、エバンジェリストって職業はなかったですよね。今はもう普通にめざす人までいる。実際に新しい職種が生まれてますよね。それはITに限らないとも思います。例えば農業。農業ビジネスはIoTも進んでいます。農業とITのコラボが進んで、新しい仕事も生まれても不思議じゃない。ITはすべての業種・業界と結びつくので、これまで言葉がなかった職業が生まれると思います。

さらにいうと、福岡はやっぱりアジアに近い点も興味深いです。実際に外国人観光客はアジアの方が非常に多いですよね。東京はあまりに情報が濃すぎて、なかなか目立たないんです。でも福岡で新しいサービスをリリースしたら、世界の人の目にもとまりやすいんじゃないかと思ったりします。
ザ・カンパニーがハブになることで、ヘッドウォータースと福岡のエンジニアの関係構が始まるのはとっても楽しみですね。
僕たちも楽しみにしています。こんなのは無理だろうとかまだ早いんじゃないかとか、アイデアや思いを持ったままの方がいたらぜひ繋がりたいですね。新しい発想にはどんどん出会いたいです。日本じゃ無理かな、なんてアイデア持ってるような方にもぜひ!
他にも、福岡に期待することってありますか?
あとはやっぱり環境がすばらしいですよね。空港も近いけど、海も山も近い。根を詰めたあとって、リフレッシュも必要でしょ。街中をかもめが飛ぶのは、東京じゃあり得ない(笑)。僕自身、東京を軸に福岡によく来ていますが、福岡空港について30分後にはこうやって打合せができているし、コンパクトにまとまっていて理想的ですよね。
仕事や職種は人間とAI
人の仕事はむしろ増える。

産業革命で人の仕事が機械やロボットに替わりましたけど、ロボットをつくる仕事が増えたし、それによって新たなマーケットも生まれましたよね。

AIが発達しても、ホスピタリティは人の仕事として残るんじゃないかと思います。それと、AIやロボットの活躍によって人間に時間的な余裕ができて、新たなクリエイティブが生まれたり、世界中を笑顔にするようなことを考えたりするのかもしれないです。VRやHoloLensの技術が進むなかでリアルな旅の価値も見直されるでしょうし、人間の基本的な欲求は変わらないから、おもしろいこともあるはずです。

AIやロボットに仕事がとられると怖がるよりも、ポジティブに考えたらいいと思うんです。ITで世の中がどう変わるのか、ワクワクを楽しんだほうがいい。ITは日本だけじゃないし、世界共通。ITによって世界中がどんどん変わっていくので、僕たち自身が日本だけじゃなくて海外とも自由にやりとりをすればいいと思いますね。
ヘッドウォータースさんは、ロケーションフリーも積極的にチャレンジされてるそうですね。
働く場所のロケーションフリーは、これからまだまだ進んでいくと思います。東京に集中している必要はなくなる。どこにいてもコミュニケーションはできるし仕事もできる。例えば、親の介護が必要になって実家に帰らなくちゃいけなくなっても、会社を辞める必要はなくなる。ヘッドウォータースにも、テスト的に福岡でテレワークしている社員がいます。福岡に支社は設けてませんが、もし必要になったらザ・カンパニーでいいと思いますね。
ありがとうございました。まだまだお話がつきそうにないですが、1/23のトークイベントでもたくさんお話を聞けることを楽しみにしています。
はい。僕もたのしみにしています。ITはすべての業種、業界と結び付けられるので、ヘッドウォータースは、内にこもらずどんどん出会いを求めていきたいと考えています。僕たち自身もプロフェッショナルですが、何にでもその道のプロがいます。リアルな場があるザ・カンパニーで信頼を築きながら、どんどん新しいチャレンジをしたいと思っていますので、エンジニアの皆さんはもちろん、テクノロジーで新しいビジネスを考えたいという企業の方にもお会いできるのを楽しみにしています。

※1/23(月)18:00- The Companyイベントスペースにて株式会社ヘッドウォータース 代表取締役 篠田庸介さんが登壇されるトークイベントが開催されます。

トークイベントは下記のお申し込みフィーム、もしくはフェイスブックページよりお申込みいただくことができます。

参加費:無料
・フェイスブックページ(https://www.facebook.com/events/246326002470841/
・お申し込みフォーム(http://thecompany.jp/event_20170123/

株式会社ヘッドウォータース

設立:2005年11月
本社:〒160-0022 東京都新宿区新宿2-16-6 新宿イーストスクエアビル7階

日本語で「源流・最上流」を意味する「Headwaters」。
ヘッドウォータースという水滴から始まり、後に巨大な激流となり日本のIT業界を飲み込んで、その変革を図ると言う意志の元、社名は命名されました。

開発を請け負うだけの、作業者としてのエンジニアを量産するのではなく、高度なITナレッジを駆使して事業を開拓・推進する、新しいタイプのエンジニアを現代日本に輩出する。
基本理念は、「エンジニアのキャリアパスを再構築し、IT業界の変革を計ろう」